* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
そんな日々の中で陸とは
何度か食事に行ったりもした。


陸との約束通り美咲を紹介する。


陸に会う前…美咲の
口数が少なくなっていた。


「美咲?…どうした?
気分でも悪いのか?」


「岳君…吐きそう…。」


「えっ!?大丈夫か?」


俺は車を路肩に止める。


「病院に行かなくちゃ!!」


「違うの…陸君に会うんだと
思ったら緊張しちやって…。」


俺には美咲の緊張がわかる。


美咲は俺達兄弟の間に起こった
出来事を全て知っている


俺もそうだった…。


陸と6年振りに会う当日.俺は
緊張と不安に押し潰されそうに
なった。


俺はそっと美咲を抱き寄せる。


「大丈夫…大丈夫だから…。」


美咲が俺に勇気をくれた言葉。


「うん…。ごめん。私も一緒に
罪を背負って行くって…決め
たんだもんね。(笑)
岳君…行こう…陸君に会いに…。」


「初めまして…川嶋 美咲です。」


美咲が俺の後ろで恥ずかしそうに挨拶する。


「やっぱり良く似てるね。
少し緊張が取れたみたい。」


そっと呟いた美咲。


「初めまして…岳の弟の陸です。
兄貴がいつもお世話になってます。(笑)」
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