* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
果凜の満面の笑みと感謝の
言葉に拓海君の顔が歪んで行く。


「お兄ちゃんが私のお兄ちゃんで
本当に良かった。
お兄ちゃん大好きだよ!!(笑)」


泣き笑いの顔で拓海君に
感謝の気持ちを伝えた果凜。


俺の手をギユッと
握り締めてくる。


俺はその手を力強く
握り返した。


「バーカ…恥ずかしいだろ…。
もう.いいから早く行け。」


初めて見る拓海君の涙…。


「うん!!じゃあね.お兄ちゃん。」


「あぁ.じゃあな。(笑)」


そう言うと拓海君は涙を拭って
いつもの笑顔を見せてくれた。


誠也の所へ戻る途中.俺は
繋いでいた手に再び力を込める。


「拓海君の事…大好きなんだ?」


自分でもつまらないヤキモチ
だって…わかっていた。


「えっ?…陸君.お兄ちゃんに
ヤキモチ妬いてるの?(笑)」


「悪いかよ。拓海君も男に
違いねぇだろ…。」


果凜が俺の顔を
覗き込んで笑ってる。


-チユッ-


果凜の唇が一瞬
俺の唇をかすめた。


「陸君は私の中でずっと…ずっと
一番なんだよ。陸君の他には誰も
一番になれないんだよ。」


果凜の目が俺を
捕らえて離さない。


その瞳に俺は吸い込まれそうになる。
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