* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
果凜は自分の夢だった小児科医
としての道を歩み始めている。


果凜にとって毎日が
勉強の日々…。


頑張っている果凜を見て
いると俺自身もパワーが
湧いて来る。


そんな果凜との時間は
俺にとって貴重な時間。


以前より一時間早く家を出て
果凜を車で病院まで送った後
会社に向かう事が俺の日課と
なっていた。


果凜の勤務先は
星野総合病院。


「じゃあ行ってきます。
陸君.気を付けてね♪」


「あぁ。じゃあな。(笑)」


車を走らせながらバックミラーを
覗くといつまでも手を振りながら
見送ってくれている果凜の姿が
写っている。


毎朝.その姿に愛しさが
込み上げる。


今は仕事が終わって家に帰れば
果凜は俺を待ってくれていると
わかっているのに…この瞬間は
いつも少し胸が痛くなるんだ。


長い間.想いを募らながら
離れていた為か果凜が側に
居ないと今のこの幸せも夢
なんじゃないかと思ってしまう。


俺はそっと左の薬指に触れる。


果凜が用意して
くれていた結婚指輪。


中にはお互いの
名前が彫ってある。


永遠に外す事の無いこの指輪
が果凜の存在と夢じゃ無い事を
教えてくれるんだ。
< 382 / 437 >

この作品をシェア

pagetop