* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆

仕事が終わって俺はいつも
以上に早い帰り支度をする｡


果凜と結婚してからの俺は
仕事が終わると寄り道もせず
真っ直ぐ家に帰る日々｡


一秒でも早く帰って果凜と
一緒に過ごしたかった｡


それに今日はいつもより
特別な日｡


朝のリクエスト通り
果凜がハンバーグを
作って待って居てくれる｡


今の時間だと婆ちゃんと仲良く
台所に立っている頃だろう｡


そんな俺の横で誠也も競う
ように七転八倒しながら慌
てて着替えている｡(笑)


｢陸!!お前.着替えるのが
早えんだよ!!｣


｢テメェが遅せぇんだよ!!｣


いつもの様に言い争う俺達
を見てみんなが笑ってる｡


｢｢お先っす!!｣｣


誠也と共に会社を後にした｡


誠也と俺は各自.駐車場に
停めてあった車に乗り込む｡


｢陸!!また明日な!!｣


｢おぅ.お疲れ!!｣


俺達は家族が待つ家へと急ぐ｡


誠也が急いで帰る理由…｡


その理由を誠也から聞いたのは
一ヶ月程前の事だった｡


｢お前さ…今日の朝から
俺の顔見て何か感じねぇの?｣


｢……?…別に｡｣


｢べ.別にって…ホラ!!
俺の顔を良く見ろって!!｣


見ると誠也は異様な位の
スマイル｡