* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「うん…。あの頃は正直お前達
の事は理解出来なかった。
ただ友情ごっこに酔いしれ
てるだけだって…。
でも…いつもお前達はお互
いを必要として…
本当に相手の事を想ってた。
それに比べて俺は自分以外の
人間は全て敵だと思ってたから
人を信じる事さえしようとは
しなかったんだ。
そんな奴に本当の友達なんて
出来るはずが無いよな…。」


「……今は違うだろ…。
自分が変われば周り
も変わるんだよ…。
今のお前なら友達は
たくさん居るだろ?」


「あぁ。(笑)みんなでバカな事
ばっかり言ってさ…。
なんか…それが凄く楽しいんだ。」


岳の気持ちが今…少し
わかったような気がした。


小さい頃から大人しくて
逆らう事を知らなかった岳に
周りの人間は期待をかけていた。


真面目な岳はそんな期待に
逆らう事が出来ずにプレッシャー
をずっと抱えていたんだ。


やがて…自分の殻に閉じこもり
自分以外の人間を信じられなく
なったんだと思う。


確かに岳の言う通り…
誠也のような奴が岳の
殻を破っていたら…。
少しは違っていたの
かもしれない…。


岳…お前はずっと一人で
プレッシャーと闘っていた
んだな…。
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