* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「婆ちゃん誕生日おめでとう♪」


今日は婆ちゃんの80歳の誕生日。


80歳になった婆ちゃんの傘寿祝で
みんなが集まった。


俺達が小さい頃は爺ちゃん
や婆ちゃんの誕生日になる
と親父とお袋に連れられて
この家に来ていた。


思春期の頃には俺と岳が来る事は
無くなって誕生日には親父とお袋
だけが顔を出してたっけ…。


婆ちゃんの周りには親父とお袋
親戚達が集まって祝福していた。


「みんなありがとうね。」


婆ちゃんが目を潤ませて
喜んでいる。


そんな姿を見て俺は人一倍の
感謝を婆ちゃんに感じていた。


80歳と言っても婆ちゃんは
まだまだ若い。


俺がこの家に来てから婆ち
ゃんが病院に通っている姿
を見た事がなかった。


昨日の夜.そんな話しをして
いると婆ちゃんが俺に言った
言葉に俺は涙を流す事になる。


「陸.婆ちゃんが今もこうして
元気で居られるのはお前のお陰
なんだよ…ありがとうね。」


「俺の?俺.婆ちゃんに何も
してあげて無いじゃん。」


「充分してもらったさ。
お爺さんが亡くなって婆ちゃん
がボケる前にお前がこの家に来て
くれたから婆ちゃんはボケる暇も
無くなったんだよ。」
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