* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「陸.今日も俺ん家.来る?」


「ん?…お前ん家はもう飽きた。
女でもナンパしに行くか…?」


「お前…どうしたんだよ?
今日.朝からなんか変だぞ?」


「お前に言われたくねぇよ。
嫌ならいいけど…。」


「行きます!!行きます!!」


俺達は駅に向かう。


今の時間なら学校が終わった
女子高の奴らが声を掛けられる
のを待ってる。


俺は果懍への想いを
そんな女達で紛らわそう
としているのかもしれない。


その日だけの関係。


今まではそれが後腐れなく
楽だと思っていた。


果懍への想いに気付くまでは…。


果懍を好きになって気付いた事。


それは人を好きになったら
相手は自分だけの者で居て
欲しくなり…いつも一緒に
居たいと思うんだ…って事。


俺は今までに本当に人を
好きになった事が無かった
んだと思う。


そんな事を俺が初めて
思ってしまったのが皮肉
にも果懍だったんだ…。


また岳の言葉が頭を過ぎる。


俺の女に付き纏わないでく
れよな…。


「誠也…人を好きになるって難しいな。」


「な.何なんだよ急に!!やっぱ.お前まだ頭痛いんじゃねぇのかよ!?だ.大丈夫か!?」


「大丈夫だよ!!」
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