* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
果懍が俺に言いたい事は聞かなくてもわかってる。


でも俺は果懍の口からは聞きたくはなくて逃げているのかもしれない。


誠也の家からの帰り道。

俺は女の手前.ポケットに入れて
おいた紙を破いて捨てる。


二度と会う事のない女。


俺にはそんな女達がお似合いなのもしれない。


家に着くと岳の靴があった。


素早く果懍の靴を探す。


今日はファミレスデートだけ
だったようだ。


「陸なの!?」


キッチンからお袋の声がする。


「あぁ。」


「今日はさすがに早いわね。
すぐご飯にするから着替えてらっしゃい。あっ.岳にも言ってね!!」


ババァ…自分で言えよ…。


岳の部屋の前に立つ。


「岳…。飯だって…降りろよ。」


俺は岳の返事も待たずに
自分の部屋に向かう。


聞こえたんだろう…岳の部屋の
扉が開く。


「陸!!…お帰り。」


俺は岳に背中を向けたまま呟いた。


「ただいま…。」


「星野が喜んでたよ!!
お前に彼女が出来た事…これで私の事も諦めてくれるねってさ…。」


「あぁ!!もうテメェの事なんて何とも思ってねえって伝えといてくれよ!!」


「わかった(笑)伝えとくよ。」
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