* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
授業が終わって俺はまた携帯片手
に果懍からの連絡を待つ。


じっと画面を見つめてる俺の横
で誠也も同じ様に携帯片手にまだ
今日のデートの相手を決めかねていた。


♪…♪…♪


果懍からだ…今度はメール音じゃなく着信音。


まだ真剣に悩んでいる誠也から
少し離れて電話に出ると愛しい果懍の声。


俺達は駅前で待ち合わせる事にした。


あともう少しで果懍に会える…。


「誠也.俺.行くわ。で?お前相手決まったの?」


「ヤベェ…普段使わねぇ頭使ってたらマジ頭痛くなってきた。どうしよう…。」


「……。知らねぇよ。」


本当に頭痛がひどくなり結局.家に帰って寝ると言う誠也と別れて俺は果懍の待つ駅に向かった。


駅に着くとちょうど果懍が改札
から出て辺りを見渡している。


俺を探してるんだ…。岳じゃなく俺を…。


「果懍!!」


俺に気付いた果懍が嬉しそうに
走って来る。


「陸君!!ごめん…待ったでしょ?」


「待ってねぇよ。俺も今.来たとこだし…。行くぞ。」


俺は自然に果懍の手を取って歩き出す。


そんな俺の手を果懍がギユッと握り
しめて笑っていた。
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