* 唯一無二 * ☆最初で最後の想い☆
「今日ね…前園君と話したの。」


俺は驚きはしなかった。
でも…一気に嫉妬心が沸いてくる。


「俺と星野は友達…それ位は許してくれるだろ?」
岳は俺にそう言っていた。その事は俺も許した筈なのに…いざ果懍の口から聞くと焼きもちを妬いてしまう。


「で?岳と何.話したんだよ?」


「そんなに長くは話してないけど
昨日の事.謝ってくれて…陸に
幸せにしてもらえよって言って
くれたの…。」


「それだけか?」


「後は…これから俺達は友達だって…。」


「………。」


「陸君?…怒ってる?…ごめん。」


「俺…お前の事.信じていいんだよな?」


「…信じてくれないの?」


果懍の泣きそうな顔を見て俺は我に帰る。


「悪い…お前の事信じてない
訳じゃねぇんだ…ただ自分に余裕
が無くて…本当ごめんな。」


俺が果懍に言った事に嘘は無かった。


今までの俺は女にどう思われ様が
気になんてしなかった。


真剣に女に惚れた事が無かった
俺には気持ちの余裕があったんだ。


でも果懍に対しては余裕どころか
自分にさえ自信が持てなくなっていた。


惚れたら負け。
いつか誠也が言ってたっけ…。


俺は完全に果懍に完敗だった。
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