1秒後の奇跡【超短編】
☆
ピッ…
カフェオレがレジを通ると、彼の奥にある煙草の棚に視線を送る。
そんなあたしの視線に気付き、彼は言わずともあたしの煙草を手に取る。
ピッ…
「442円になります」
いつも通りの流れ。
でも、このまま帰ってしまうのが淋しいと思ってしまうあたしは、何を期待しているんだろう。
すんごい奇跡?
彼もあたしの事を気になってくれていて。
「良かったら連絡先を教えてもらえませんか?」
…なんて。
ある訳ないか。
普段よりも時間を稼ぐ為に、442円をゆっくり小銭で出した自分に笑えてくる。
「ありがとうございましたー」
カフェオレと煙草の入ったビニール袋を手に取り、ふと彼の顔に目をやった。
偶然にも彼と目が合って、そしてお互いに、ぎこちなく笑い合う。
でも、やっぱり。
奇跡なんて起きるはずもなく、あたしは彼に背を向けると、入口に向かって歩き出した。
カフェオレがレジを通ると、彼の奥にある煙草の棚に視線を送る。
そんなあたしの視線に気付き、彼は言わずともあたしの煙草を手に取る。
ピッ…
「442円になります」
いつも通りの流れ。
でも、このまま帰ってしまうのが淋しいと思ってしまうあたしは、何を期待しているんだろう。
すんごい奇跡?
彼もあたしの事を気になってくれていて。
「良かったら連絡先を教えてもらえませんか?」
…なんて。
ある訳ないか。
普段よりも時間を稼ぐ為に、442円をゆっくり小銭で出した自分に笑えてくる。
「ありがとうございましたー」
カフェオレと煙草の入ったビニール袋を手に取り、ふと彼の顔に目をやった。
偶然にも彼と目が合って、そしてお互いに、ぎこちなく笑い合う。
でも、やっぱり。
奇跡なんて起きるはずもなく、あたしは彼に背を向けると、入口に向かって歩き出した。