1秒後の奇跡【超短編】
☆
ねえ、このまま帰ってしまっていいの?
すごく好きだった訳じゃない。
ずっと思いを寄せてきた訳でもない。
それでも。
こんな日に、こんなタイミングで出会ったら…
何か運命めいたものを感じちゃうのは、あたしだけ?
この扉が開いて、一歩外へ出てしまえば、もう戻れない。
偶然にも、今お店の中にいるのは彼とあたしだけ。
あたしの想像する、都合の良い奇跡は起きなかったけど。
少しのキッカケがあれば…
彼の元へ。
戻る?
戻らない?
気付けばあたしは足を止め、後ろを振り向いていた。
それとほぼ同時に、少し焦ったような彼の声が聞こえた。
「あのっ…」
すごく好きだった訳じゃない。
ずっと思いを寄せてきた訳でもない。
それでも。
こんな日に、こんなタイミングで出会ったら…
何か運命めいたものを感じちゃうのは、あたしだけ?
この扉が開いて、一歩外へ出てしまえば、もう戻れない。
偶然にも、今お店の中にいるのは彼とあたしだけ。
あたしの想像する、都合の良い奇跡は起きなかったけど。
少しのキッカケがあれば…
彼の元へ。
戻る?
戻らない?
気付けばあたしは足を止め、後ろを振り向いていた。
それとほぼ同時に、少し焦ったような彼の声が聞こえた。
「あのっ…」