君に片思い
ゴールデンウィークが半ばに差し掛かり忙しさが増してきた頃、俺はいつの間にか時田のコーヒーの味を忘れかけていた。


それどころじゃない。


客の予約数が、いつもの倍に膨れ上がり、あちこち走り回らなきゃいけなくなっていた。

客が増えればクレームも増え、新人はアタフタし、対処に追われる毎日。



コーヒーなど、ゆっくり飲んでいられない。





なのに………



時田を見て、ふと思い出してしまった。





―――時田のコーヒーが飲みたい。





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