君に片思い
「なぁ〜に言ってんの松!」

いきなり耳元にかかる息に驚き、思わずよろけると話しかけてきた犯人はニヤケながら立っていた。


「ナベオッ!!」


「ごめん、ごめん。」


“ナベオ”こと渡辺慶一は、悪戯っ子みたいな顔をしながら両手を合わせて謝った。


「ったく、やめろよな。キモチ悪い!」


耳元が、むず痒くて仕方ない。


「いやぁ〜だってあまりにも面倒くさそうな顔してるから。ついつい。
けど、みんなが聞いたら驚くよ?
面倒みのいい良き先輩の松原景一郎君。」



「うるせぇよ。」



誰が面倒みのいい先輩なんだか。


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