君に片思い
「残業決定だな。」
パソコンの前で、さっき起きた事案の報告書を作成しながら、本日最大の溜め息をついた。
何とか客を宥め、エラーを正常化し、手早く客をさばいて終了したと、同時に課長に呼び出しをくらった。
『新人と言っても、今日、明日あたりで1人立ちさせなきゃいけないのに、何回同じ、しかも初歩的なミスをするんだ?ちゃんと教育してるのか?』
―――ダッタラ オレニ サセナキャイイダロ?
言いたい事は山程あったけど、全て飲み込んで頭を下げる。
それが、先輩の仕事なんだろうし。言い訳なんて無駄な事だと十分わかっていた。
全部、俺の責任。
「面倒くせぇ。」
パソコンの画面は、俺が打ち込んだ文章で埋め尽くされていく。
本当は新人に、やらせたいところだったのに、さっきからメールボックスの隅で泣き通しだ。
あれを慰めんのも、俺の仕事なんだろうか?