星空とミルクティー




――どれくらい時間が経ったんだろう。


『っ…やだ、』


溜まっていた涙が、溢れた。

その瞬間、腕の力が緩んで。



『ごめ、俺…』



先程まで決して揺らぐことのなかった蛍吾くんの瞳が、揺らぐ。



あたしは蛍吾くんの謝罪を最後まで聞くこともなく、



『っ、茜ちゃんっ』





腕を振り払って、逃げたんだ。


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