星空とミルクティー



「なんで。蛍は家近いだろ。」

「いや、まぁ…そうだけどさ…」

「茜は家遠いし、危ないじゃん。
家に帰っても、どうせ叔父さんたちいないんだろ?」


「なぁ?」と尋ねられ、こくんと頷いた。



うちの両親は共に仕事人間だ。
今は、お父さんがニューヨーク、お母さんがフランスにいる。

日本に戻ってくるのは、1年間でたった数日ほど。


従兄弟である渉は、そのことをよく知っている。



「…でもっ!
俺も家帰ったって誰もいないしさ、」





「蛍吾くん、1人暮らしなの?」


思わず口にしてしまった疑問。


「え、あぁ、うん。」


一瞬の間の後 返ってきた言葉は、少し歯切れの悪いものだった。

(聞いちゃいけなかったかな…)


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