星空とミルクティー
俺の家庭事情というやつは、多少複雑だ。
―4つのとき、母親は男をつくって出て行った。
―6つのとき、唯一の家族だった父親も失踪。
その後は祖父母に育てられたのだが、
15の夏に突然、『母親』だという女が現れた。
『ねぇ、お母さんのところで暮らさない?』
―ふざけんな、と思った。
夫と息子を捨てたくせに、なにが『お母さん』だ。
聞けば、再婚相手との間に子どもが生まれなかったのだと言う。
―あまりにも身勝手すぎる言い分だった。
けれど、俺は受けたのだ。
1つの条件を、理由に。