星空とミルクティー
まぁ、結局のところ、こうして1人暮らしさせてもらってるわけだし、別に不自由はない。
頻繁に電話をくれる祖父母も、2人でのんびり暮らしているようだ。
そして、予想外だったのは、『母親』だという女の再婚相手は、まだ生きているということ。
余命として告げられた年月など とうに過ぎているのに、だ。
男は今必死に分家との関係を修復しようとしているから、このままいけば俺が家を継がされる可能性はゼロに等しいだろう。
好都合以外の何物でもなかった。
自分が不幸だとか思ったこともない。
(安っぽい小説やお芝居なんかに出てきそうな境遇だよなぁ…とは思うけれど。)
――ただ、あまり胸張って言えるようなことでもないから。
茜ちゃんに聞かれたときも、一瞬ためらってしまった。