星空とミルクティー
「いらっしゃいませー!!」
カランカランという音で振り返り、とびっきりの笑顔をつくる。
「どーも。」
「…げ。」
ヒラヒラと手を振る男は、いつも通りの笑みを浮かべていて。
「そんなイヤそうな顔されると俺寂しいなぁー。」
「や、そんな顔してないっすよ。」
うん、嘘だけど。
(だって渉が怒るんだもん。)
…でもさ、少々イヤな顔しても、仕方ないと思うのは俺だけ?
『大切なお客様』だから、って理由は納得できるけど、コイツの場合は店に来る理由が明らかに不純だし。
「ねぇ、茜は?」
――ほら。