‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
(Ⅰ)救世主は不良のアイツ
「お前見てると辛くなる」(姫SIDE)
「今日も白雪姫可愛いよなぁー」
「一回でいいから抱きてぇー」
「まじあの黒髪と白い肌似合いすぎ」
見たこともない男子たちの気持ち悪い
薄笑いを無視し、あたしは一人冷たい
廊下を歩きながらひたすら自分の教室
へと向かう。
男子はあたしをおとぎ話の白雪姫と呼
び、女子はあたしのことを見もしない。
きっとあたしが嫌いなんだろう。
誰もあたしに適いっこないんだから。
1―Aの教室までやってくると、それ
まで廊下に居座っていた奴らが虫のよ
うに集まってきた。
どれも放課後の誘いや、一週間後の休
日の誘い、頭が可笑しい奴なんかは一
年後の誘いなんかを持ち掛けてきたり
もする。
だけどあたしはそれらを一切無視。
こんな奴らに構う程、あたしだって暇
じゃない。
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