‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 次の日。



 教室に行くとあたしの席の後ろに何故
 か、――救世主がいた。



 「あ、姫ちゃん!!」



 あたしの姿を見つけるなり、彼は花を
 咲かせたようにパアッと笑顔になる。



 それ以上に笑いたいのはあたしのほう
 なのかもしれない。



 あたしのことを名前で呼んでくれる人
 なんて今までいなかったのに。



 「なんで、ここにいるの??」



 笑いたいのを必死に堪えてあたしは疑
 問を口にする。



 彼は「あー」と考える素振りを見せると
 ニコッと微笑んだ。



.
< 10 / 90 >

この作品をシェア

pagetop