‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 いきなり飛び出すと、こっちだって都
 合悪いと考えて、暫く様子を伺った。



 すると壁に隠れてのぞき込んだ瞬間、
 黒い車を壁に寄せて白雪姫が中年男に
 無理矢理車に乗せられそーになってん
 じゃねーか。



 自分でも驚いた。



 普段こーいう面倒くさいことはいつも
 見てるだけだったのに、勝手に体が動
 いてたんだ。



 中年男を蹴飛ばして、怯んでる隙に、
 俺は倒れかけた白雪姫を抱き留めた。



 その瞬間フワッと甘い香りがして、今
 まで何人もの女を抱き締めてきたけど
 皆臭い香水の臭いばかり漂わせてたか
 ら。



 だから、俺がこいつ守ってやんなきゃ
 なって思った。



 車から少し離れた電柱の陰に白雪姫を
 連れて行き、汚れてしまった制服を叩
 いてやる。



 その間ずっと白雪姫は俺を見つめてて
 今白雪姫の魅力を知ってしまった気分
 だった。



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