‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 だけど正直手伝いたくなかった。



 お母さんが時々席を外す度、お客さん
 たちはあたしのことをイヤらしい目で
 見てくる。



 実際、お店の中で何かをされることは
 ないのだけれど、密かに学校までつけ
 てきたりと、段々そんな風なことがエ
 スカレートしてきたのだ。



 頼る友達もいなければ、彼氏なんてい
 う存在はしばらくいない。



 だから“もしも”の場合は自分で対処
 しなきゃならないから、護身用に毎日
 カッターをスカートの中に隠し持って
 いる。



 いつの間にかやってきた担任の挨拶で
 あたしは鞄の中にスケジュール帳をし
 まった。



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