‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 時折見せる変な行動についていけなく
 て、あたしは少しフードから顔を覗か
 せる。



 それに気付いたのか、彼もあなしの方
 を向くとハッと白い息を吐いて、ミト
 ンがはめられている両手で自分の頬を
 包んだ。



 「姫ちゃんって、そんな格好もすんだ」



 言われて気付いた自分の格好。



 黒いスウェットに黒いダウン。まさに
 くつろぎモード前回だ。



 決して今まで自分の素を他人に見せた
 ことは無かったのに…、失敗した。



 「何か姫ちゃんのこと、段々知ってく
  から嬉しいな」



 予想外の発言に戸惑うあたし。



 ……を見つめる彼。



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