‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
放課後になると、ゾロゾロと生徒たち
は帰って行く。
あたしもそれに混じりながら、校舎を
出た。
電車通学やバス通学が多いこの学校は
皆あたしとは反対方向に帰っていき、
家が近所のあたしはトボトボと帰る。
夕日を浴び、その眩しさに目を細めた
ときだった。
角を曲がった瞬間横付けされた黒い高
級車。
そこから一人の中年男性が降りてきて
あたしの目の前に意味深い笑みを浮か
べながら近寄ってくる。
無視して横を通り過ぎようとした時。
「姫ちゃんだよねぇ??スナック白雪で
働いてるー」
語尾を伸ばしながら気持ち悪い目つ
きで問いかけてくる今では中年親父。
降りてきたときは紳士的な感じの人
だったのに喋り出したらぶち壊し。
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