‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 なんていうの??
 優越感だっけ。



 その顔は俺だけにしか見せないから、
 俺はそんな姫ちゃんを他の奴から密か
 に守ってる。



 例えば。



 姫ちゃんのことを下の名前で呼ぶ奴。
 なんかは次の日学校来れなくしてやっ
 たし。



 でも女は別。



 「何なのアイツ」

 「白雪姫って最近薫に媚び売りすぎー」

 「あたしらのが絶対可愛いよねー」



 さっき追い払った女たちはまだ見てた
 のか、聞こえるように言ってくる。



 まじで女って怖ぇー。



 でもそんなのに慣れてるのか、姫ちゃ
 んは椅子に座らず、両手で鞄を抱き締
 めながら眉をハの字にして無理矢理俺
 に笑いかけてくる。



 笑いたくないなら、笑うなよ。

 悲しいなら、泣けばいいじゃん。

 俺の前では自分作んなよ。



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