‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
今はこの関係で十分だ。
あまりにも深入りしてしまえば、知ら
なくていいことも知ってしまいそう。
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「姫ちゃん日誌もう書けたー??」
「んー、あとちょっと」
時は過ぎてある日の放課後。
あたしたちは先生の気まぐれのお陰で
日直を任されていた。
日直っていっても日誌書いて放課後に
残って掃除するだけだから、そんなに
大変じゃないんだけど…。
夕日に照らされた薫くんの髪の毛が、
あまりにもキラキラ輝いてるもんだか
ら、なんだか緊張。
あたしは自分の席で日誌を書いてて、
その代わり薫くんは一人で教室を掃除
してくれている。
箒(ほうき)を持った薫くんは何か不似
合いで、きっとこんな姿誰も見たこと
ないんだろーなあって、少しだけ優越
感に浸ってたり。
「手、止まってんぞー」
不意に薫くんの声が近くで聞こえて、
目線を上げるとあたしの顔を覗き込む
ようにして箒の杖に顎を乗せる薫くん
何だかとっても可愛い。
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