‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 違いますと否定すれば良かったものを
 ここまでつけてくるとは予想もしなか
 った出来事に混乱して尻餅をつく。



 「やっぱ可愛いねぇ。怯えてるのー??」



 未だあたしに近寄ってくる中年親父は
 それでもあたしの態度に嬉しそう。



 あたしに目線を合わせようとしゃがみ
 込んできた中年親父は汚い手であたし
 に触ろうとしてくる。



 「ん〜〜〜!!」



 口を片手で抑えられ、もう片方の手で
 あたしの足を撫でてくるから反抗しよ
 うにもできない状態だ。



 「泣いてるのかなぁ??やっぱ外じゃ嫌
  だよねぇ。今からいいところに連れ
  てってあげようねぇ」



 中年親父はそう言うと、どこから取り
 出したのか、困惑するあたしの姿をカ
 メラで写してからあたしを引きずるよ
 うにして車に近付いていく。



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