‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
(Ⅳ)転校生は恋のライバル
「アイツ、俺の初恋の人」(姫SIDE)
クリスマスの約束を目前にしたあたし
たちの前に、可愛い転校生がやって来
た。
「えー、時期は変だが、両親の転勤の
関係でまた地元に帰ってきたらしい。
知ってる奴もいると思うから仲良く
してやってくれ」
それはあまりにも突然の出来事で、何
が起きたのか分からなかった。
「初めまして。中学の始めまでここの
近所にいました。佐々木千代です。
よろしく」
肩くらいの長さの栗色の髪の毛は控え
めにクルンと巻かれていて、とっても
大きな瞳はチャームポイントだろう。
「ちーちゃん…??」
後ろから声がして振り返ると、驚いた
表情の薫くんが佐々木さんのことを、
“ちーちゃん”と呼んでいた。
.