‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
「……はあ」
今日で何度目だろう、ため息が止まっ
てくれない。
ため息を吐いた分幸せが逃げてしまう
って聞いたことがあるけれど、幸せが
逃げてしまえば何回ため息を吐いたっ
て意味ないよね。
鞄片手に昇降口で靴を履いていた時。
「しーらゆーきさんっ」
学校では女子と喋ったことないのに、
明るい声であたしを呼ぶ声がした。
靴箱の戸をパタンと閉めて、恐る恐る
振り返ると、佐々木さんが両手を後ろ
で組んであたしを見ていた。
「?」
首を傾げてみると、佐々木さんはニコ
ッと目尻を下げてあたしに近づいてく
る。
何事かと、話しかけてくるのを待って
いると、
「友達になって!!」
予想外の出来事が起こった。
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