銀色の月の華に太陽を
桃色の月
月への約束
僕らの出会いは10年前の夏。
「瑞稀ぃ!!ちょっとこっちおいでっ!!」
「なんだよ、ばあちゃん!!でけぇ声出すんじゃねーよっ!!」
「あたしに向かってなんて言葉使いするんじゃっ!!」
「いてッ!…何しやがっ…」
顔を上げると、そこにはとても優しそうなおばあさんと、とても綺麗な女の子がいた。
今考えてみれば、友達のいない僕のために、ばあちゃんが考えてくれた事だったんだと思う。
「ほほほ。こんにちは!瑞稀くん。そして、はじめまして。」
「…はじめまして。」
その優しそうなおばあさんの後ろの、とても綺麗な女の子に僕は目を奪われていた。
おばあさんが女の子の背中を押し、僕の前に立たせた。そして少し震えている唇を開く。
「よこやま りのですっ!よろしくね、みずきくんっ!?」
そう言って璃乃は僕に手を差し延べてくれた。
なのに僕は…
「う…うるせーぇ、ブスッッ!!」
なんて思ってもないこと言ってしまったっけかな~。(笑)
あの時はただ恥ずかしかっただけなんだ。ごめんね、璃乃。
でも、璃乃は見た目のは裏腹に、負けじと言い返してくる子で…
「はッッ!?あんた!人がせっかく話しかけてあげてんのに、何さまのつもりッッ!!」
僕らの初対面はこんな感じ。