銀色の月の華に太陽を
その指の音と共にヒロが高らかに声を上げた。
「取り押さえろーッッ!!!」
ロッカー、窓、机の下から光の速さと言わんばかりの速さで何かが飛び出してきて、僕と唯の腕を取り、机に顔を押し付けた。
「ちょ…ちょっと!!!何すんだッッ!!??…って…」
すると目の前にいきなり超美人が現れた。肌は白く、髪は黒いロングアシメで、目は大きく、まつげが長く、鼻は小さく、唇は赤く…言葉を失うほど整った美人だった。
「あれ?今回のはなかなかイケメンくんじゃない?お姉さんといいことするーっ?」
あ、よろこんで…って違う違う。
「…あの…は、離して下さい…」
「いや離してほいなら~ハンコ押してっ」
そして笑顔は可愛い…って違う違う。
「悪いことは言わねぇ…こいつが優しいうちに押しとけ。つか命が欲しけりゃ押しといたほうがいいと俺は思うぞ。」
「はぁ!?意味わかんねぇ!!!なんだハンコって!?おい、ヒ…」
―――ダンッ……
この音と同時に僕の頭が乗っている机に足がのったのは言うまでもなく、
「つべこべ言ってねぇで押しやがれ。」
この時僕は初めて女王様という存在を認めたんだと思う。