銀色の月の華に太陽を
『降り続く雨 傘を投げ捨て 空を見上げ 心を曇らせ 眉間にシワ寄せ 走り出す
がむしゃらに でも プライドを守り 雷雨とともに 打ちのめすこの拳に いったい 何の力があるのだろう
僕はいったい何を目指して 何を追い求めてるの 自問自答を繰り返し 胸に手をあて 絶望の夜 光り求めさ迷う…』
レイの歌は切なく、だけど力強く、なんだか聴いてて涙が出そうになった。
璃乃とはまた違うハスキーな声で豪快に歌い上げるレイはまたさらに美しかった。
「すっげー…」
「あぁ…」
僕らは言葉を失い、ただただステージを見上げていた。
でも、僕らの拳には力が入っていた。
そして、僕らの心に本気で火がついたもこの時だったのかもしれない。
この時から10年後、僕らは日本中を騒がす二代バンドとなる。しかしこの時はそんなことしるよしもなかった。