俺の恋愛【BL】
「悠斗。今日、この後暇ならご飯でもどう?」
伊坂は俺が取っている授業を把握しているのではないかと思うくらい、正確に現れる。
今日はこの後の授業を取っていない為、今の今まで受けていた考古学論で終了なのだ。
「悪いけど、俺用事あるから」
もちろん、用事なんてものはなかったけれど、伊坂のペースに巻き込まれまいと、
わざと冷たく言う。
「…そう」
伊坂はきっと女装したら、その辺の女よりもキレイになるだろう。
二重で少しだけ垂れた目、澄んだ瞳。
そんな奴が悲しそうに、瞳を揺らしている。
捨てられた子犬のように。
そんな目で見られるのはいったい何度目か。
その度に、俺の心は罪悪感に蝕まれてしまう。
「…明日なら、空いてる」
「ほんと?」
その瞬間パァッと顔が輝きだす。