時間屋
Time3:過去
「………は!?」
「だーから、一緒に学校行こ!」
朝。
俺は昨日から一睡もしていなかった。
早速敵が乗り込んでくると思い、あれこれ作戦練ってたっていうのに、全く静かな夜だった。
北条に報告すると、ああ良かったの一言だ。
敵が来ないんじゃ、俺だってどうしようもない。
この仕事を引き受けている間は、北条家でお世話になることになった。
つきっきりで、志乃の護衛ってわけ。
…で、流石に一緒に登下校はマズいかなと思い、俺は後ろからこっそり護衛作戦にするからと打ち明けた。
………のに。
「別に私、噂とか全然気にしないから大丈夫!」
「大丈夫!って…そこは気にするとこなんじゃね?」
未だつかめない志乃の性格に、俺はたじたじだった。
「それに、端から見たら、空雅くんストーカーっぽく見えちゃうよ?」
それはやだ。
俺はしばらく唸った後、渋々頷いた。
「…わかった。行こう」