時間屋
「華子さーん」
「空雅か?入れ」
扉を開け、部屋に足を踏み入れる。
華子さんは、ここでの社長。
血のっ気の多い30歳独身だ。
…本人の前で言うと、怒られるけど。
華子さんは書類を机の上で揃え、頬杖をつく。
「昨日はご苦労だったな、空雅。」
「あー、思ったより楽でしたよ。相手が馬鹿だったんで」
「お前には、Aランクの任務も簡単すぎるかな」
時間屋の仕事には、ランクがつけられている。
S・A・B・Cランク。
Sが一番難易度が高い。
仕事にランクがついてるなんて、時間屋の仕事とは何なのか?
…まぁ、一言で言ってしまえば、"何でも屋"だ。
人捜しから、事件解決まで、幅広い仕事を取り扱う。
俺が昨日担当したのは、Aランクの任務。
内容は、銀行強盗の確保。
俺にかかれば、こんな任務ちょろいちょろい。