時間屋

そもそも、警察がする仕事なんじゃないのか?


そう思うのも、無理はない。



けど、時間屋は警察と手を組んでいる。


全ては、困っている人の為。


もちろん、きちんと法律内で仕事している。



人々の今の時間を支える。


人々の失った時間を取り戻す。



そのことから、俺たちは"時間屋"と呼ばれる。



誇り高い、自慢の仕事だ。



「…空雅、うまい話があるんだが、聞くか?」


華子さんが、小さい声で言った言葉に、俺は飛びついた。


「え?なんですか!?」


「超久々の、Sランク任務だ」


そう言うと、華子さんは一枚の書類を俺に渡す。


俺はその書類をしげしげと眺め、書かれている内容を、口に出して読む。


「…北条財閥の娘の…護衛?」


「そうだ。ま、財閥同士のもめ事はよくある。なんでも、一人娘が狙われているらしい」


…ははーん。


人質にしようって魂胆か。



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