時間屋
「どうする?空雅」
俺はその書類の署名欄に、近くのペンで殴り書きのサインをした。
「…そのお時間、承ります」
危険度はともかく、おいしい話なのは確かだ。
時間屋という職業では、給料はこなした仕事のランクによって支給される。
Sランクなんて、滅多にない。
ここで稼がず、いつ稼ぐ?
「さすが空雅、うちのNo.1だ」
「褒め言葉より、もっと仕事下さいよー華子さん」
俺がそう言うと、華子さんは何故かため息。
「空雅…働くのはいいが、もう少し学生生活を満喫したらどうだ?」
俺は苦笑して、その言葉を受け流した。
俺は今、18。
高校3年だ。
だが、授業は寝てるかサボるかだし、行ってる意味があまりない。
友達は…片手で数えられるくらい。
正直、面倒くさい。
学校なんかより、時間屋として過ごす方が何倍も楽しい。