双子愛 〜悲シキ運命ノ糸〜
「おはよ、お父さん」
「おはよう」
新聞を広げて、コーヒーを飲むお父さんは新聞を少しずらして笑顔で挨拶をした。
「ほら咲希、はやく食べて」
お母さんは少し忙しそうに朝食を運ぶ
出来たての目玉焼きとトーストは温かそう
「いただきまーす」
トーストには蜂蜜、目玉焼きには醤油をかけてあたしは食べる
「咲代、ソースある?」
目玉焼きはソース派なお父さんは、お母さんにソースを頼む。
「はい、ソース」
「ん、ありがとう」
何歳になっても仲良しのお父さんとお母さん
お父さんの方が年上だからしっかりしてるし、お母さんは優しい
喧嘩なんて、見たことない。
『お父さんとお母さんみたいに幸せな家庭を築く』
それが昔からの夢だった。
(…まだ付き合ったことないけど)
男子と仲良くなっても、良太みたいに男友達みたいになっちゃうし、彼氏とか甘い雰囲気とか全然経験なんてなかった
堀内君みたいな男の子は初めてで、正直嬉しかったし、期待してた。
(今日学校で会ったらどうしよう……気まずいなぁ)
そんなことを考えていたら
時計はもう8時前。
「咲希、はやく食べなきゃ遅刻しちゃうわよ」
「んっ!?……ごちそうさまっ」
急いで顔を洗って
髪を整えて、制服に着替える。
「行ってきます!」
「咲希、お弁当っ!」
「あっ、ありがとう、行ってきます!」
「いってらっしゃい」
お弁当を鞄にしまって、家を出た