双子愛 〜悲シキ運命ノ糸〜
「うちのクラスに暇そうな生徒がいたから手伝わそうと思ってな」
そう言って先生の後ろには
「先生、ちょっとひどくね?」
堀内君の姿が見えた。
それじゃ、と先生はさっさと教室を出て行った。
「咲希、俺は何すれば良い?」
「え?えっと…」
突然話しかけられて驚いた
さっきまで普通にメールをしていたのに直接話すとなると、なんだか少しくすぐったい
絵里の言葉もあって意識してしまう
(なんか恥ずかしいなぁ…)
「修平は、俺と一緒に展示物運ぶんだぞ」
「えー、俺が?」
「男だろ?ほら軍手しろよ」
「はいはい」
良太が堀内君に軍手を渡すと2人でさっさと展示物を運んで行った。
そんな良太の背中を見ながら絵里が
「良太の奴、KYなんだから!」
と、嘆いた。
だけど堀内君を意識してしまうあたしは、良太の機転に心のどこかで安心していた。
「何言ってんの、あたし達もやろ?」
「咲希と2人きりにしたかったのに…」
「絵里ってば!」
「じょ、冗談だよーっ」