双子愛 〜悲シキ運命ノ糸〜
暑い日差しが少し和らいで
青々とした木々たちが美しく紅葉し始めた
秋が近づいて来た9月中旬のある放課後。
「お、重い……っ!!」
覚束ない足取りで階段を上る一人の女子生徒
両手に抱えるのは一つの段ボール箱
「なんでこんなに重いの…っ?!」
階段を上り終わり
廊下を歩き始める。
少しずつ揺るむ左足の上履きの紐が彼女の足元を飛び跳ね、そして彼女はそれを踏んだ。
「やっと着い…うわぁ!?」
バランスを崩し、床に倒れこむ彼女
段ボール箱に顔面が当たり少し痛そうだ。
「痛ぁ…っ!」
情けなくて顔も上げられない
後ろに伸びた両足も
思い切り床にぶつけてジンジンと痛む。
チラリと周りを見渡すと
幸い誰もいなかった。
(良かったー…)
ゆっくりと態勢を起こし、床に座る