音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
受付で病院の紹介状を貰って、あたしは数時間前までいた学校に来た。
校庭や体育館からは運動部の声。
音楽室から楽器の音。
でも……
2年生の廊下はシーンッと静まり返っている。
昼間はうるさいくらい賑やかな廊下や教室なのに、生徒が下校した今。
廊下も教室も冷たい空気が流れている。
まるで、あたしの心と同じ空気。
ガラガラガラっとドアを開ければ、そこはオレンジに染まる教室。
誰もいない寂しい教室。
でも、オレンジの光が射し込んできて少しだけ柔らかい空気が漂っている。
「引き出しの中身は空の方がいいよね」
置き勉が当たり前のあたしの引き出しは教科書とノートがたっぷり。
入院していて時間があるから少し位勉強しよう……
数学と英語はやろう。
日本史……
5月のテストに向けて少しやるか。
持って帰る物、置いておく物を机の上に並べたけど……
「置いておくの……多いっ」
あたしが持って帰るのは教科書位だから、ノートは学校。
うーん……
ノートはどうしようかな?
校庭や体育館からは運動部の声。
音楽室から楽器の音。
でも……
2年生の廊下はシーンッと静まり返っている。
昼間はうるさいくらい賑やかな廊下や教室なのに、生徒が下校した今。
廊下も教室も冷たい空気が流れている。
まるで、あたしの心と同じ空気。
ガラガラガラっとドアを開ければ、そこはオレンジに染まる教室。
誰もいない寂しい教室。
でも、オレンジの光が射し込んできて少しだけ柔らかい空気が漂っている。
「引き出しの中身は空の方がいいよね」
置き勉が当たり前のあたしの引き出しは教科書とノートがたっぷり。
入院していて時間があるから少し位勉強しよう……
数学と英語はやろう。
日本史……
5月のテストに向けて少しやるか。
持って帰る物、置いておく物を机の上に並べたけど……
「置いておくの……多いっ」
あたしが持って帰るのは教科書位だから、ノートは学校。
うーん……
ノートはどうしようかな?