音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
ギリギリ芯があるかないかだけど……
書けることには変わり無い。



『優ちゃんと陽太くんといっくんへ


おはよう、今日も3人とも元気ですか?

あのね、あたし明日……
っていうか3人からしたら今日だよね。
今日から、入院することになったの。


ごめんね、急で……
本当は少し前から分かっていたことだったんだ。
優ちゃんは知っていたよね?
本当はもう少し頑張りたかったんだけど……無理みたい。

だから、入院してしっかり治してくるね。


それで休んでいる間のプリントなんだけど、机の中にノートを1冊残してあるでしょ?
その間に挟んでもらえたら嬉しいな……なーんて。

あと、休んでいる間のノート後で誰かあたしに見せてね。
それで勉強を教えてっ!
お願いだよ?
絶対だよ?



あと……
陽太くんといっくんにはずっと黙っていてゴメンね。

それじゃあ、今日から頑張って治療してきます☆


まお』



なんとか芯が足りた。


この手紙は優ちゃんの机の中にそっと入れた。





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