音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
それからというと……
「もー、お尻痛いよ!」
「お前が悪いんだろ?」
「あたし、何も言っていないよ」
グイグイ飛ばして走ったせいかお尻がジリジリする。
ゆっくり走ってくれていたのに、やっぱりいっくんは意地悪だ。
いっくんのバカッ。
「まお、今日はもう休めな」
「言われなくたってそうしますーっだ」
ベーッだ。
意地悪いっくんの言うことなんかもうムシだ。
「じゃあね、バイバイ。
バイト頑張って」
それだけ言ったらスカートを翻してあたしはさっさと家の中へ入ってしまう。
あっ……
いっくんに『ありがとう』って言い忘れた。
チラッと玄関から外を覗いてみたけど……
「行っちゃった」
メールでいっか。
メールで。
ピピピっと打って送信。
『送ってくれてありがとう。
言い忘れたからメールした。
お尻痛いんだからねっ!』
「もー、お尻痛いよ!」
「お前が悪いんだろ?」
「あたし、何も言っていないよ」
グイグイ飛ばして走ったせいかお尻がジリジリする。
ゆっくり走ってくれていたのに、やっぱりいっくんは意地悪だ。
いっくんのバカッ。
「まお、今日はもう休めな」
「言われなくたってそうしますーっだ」
ベーッだ。
意地悪いっくんの言うことなんかもうムシだ。
「じゃあね、バイバイ。
バイト頑張って」
それだけ言ったらスカートを翻してあたしはさっさと家の中へ入ってしまう。
あっ……
いっくんに『ありがとう』って言い忘れた。
チラッと玄関から外を覗いてみたけど……
「行っちゃった」
メールでいっか。
メールで。
ピピピっと打って送信。
『送ってくれてありがとう。
言い忘れたからメールした。
お尻痛いんだからねっ!』