音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
美味しそうなの見つけちゃった。
食べてみたいな。


「ん、ここか?」


「そうだよ、行こ」


いっくんの腕を引っ張ってお店の中に。


「いらっしゃいませ。
二名様でよろしいですか?」


「はいっ!」


「では席にご案内します」


膝くらいのまでのスカートをはいた可愛いウエイトレスさんの後ろをついていく。


「ではご注文が決まったらボタンでお呼び下さい」


ウエイトレスさんのマニュアル通りの言葉は軽く流して、あたしはメニューを開いた。


おっ、あったあった。
お店の表に飾られているメニューのレプリカを見て『絶対食べたい!』
そう思ったんだよね。


美味しそうだな…… 『ミルクプリン』


白いプリンの回りに赤いソースがかかっているんだ。
多分、苺ソースかな?


早く実物を見てみたい。






< 355 / 557 >

この作品をシェア

pagetop