音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
やったー。
聴力だってほぼ、健常者レベル。
左右で音の誤差だって無いし、耳鳴りもしない。
これで、やっと普通の人になれたんだ!
「ママ、会計よろしくね。
あたし、ちょっと電話かけてくる」
「あっ、まおっ!」
ママがいくら引き留めようとしたって今のあたしには届かない。
だって…… 何かあったら電話していいんでしょ?
だったらそれは今だ!
左耳に携帯を当て、数回のコール音。
「どうした?」
電話に出る時は普通『もしもし?』でしょ?と突っ込みたくなるが、今はそれ所じゃない。
「あのね、いっくん。
今日で耳鼻科の通院が終わったの」
「それは良かったじゃん。
おめでとう」
「うん、ありがとう。
じゃあね、バイバイ」
「おう、じゃあな」
一番迷惑かけたいっくんに報告完了。
優ちゃんとリカちゃんと陽太くんにはメールで一斉送信。
嬉しいからいっくんにも送信。
梅雨が訪れる少し前。
今日、難聴治療が終わりました。
聴力だってほぼ、健常者レベル。
左右で音の誤差だって無いし、耳鳴りもしない。
これで、やっと普通の人になれたんだ!
「ママ、会計よろしくね。
あたし、ちょっと電話かけてくる」
「あっ、まおっ!」
ママがいくら引き留めようとしたって今のあたしには届かない。
だって…… 何かあったら電話していいんでしょ?
だったらそれは今だ!
左耳に携帯を当て、数回のコール音。
「どうした?」
電話に出る時は普通『もしもし?』でしょ?と突っ込みたくなるが、今はそれ所じゃない。
「あのね、いっくん。
今日で耳鼻科の通院が終わったの」
「それは良かったじゃん。
おめでとう」
「うん、ありがとう。
じゃあね、バイバイ」
「おう、じゃあな」
一番迷惑かけたいっくんに報告完了。
優ちゃんとリカちゃんと陽太くんにはメールで一斉送信。
嬉しいからいっくんにも送信。
梅雨が訪れる少し前。
今日、難聴治療が終わりました。