音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
男子とかだったらイヤだな。


まだ話した事の無い人だってクラスには数人いるから、ちょうどその人だったら……


あー、ヤダヤダ。


どうか話したことのある人でありますように。


ゆっくり明かりのついている教室に近づいた。



「“養護学校”とかじゃないの?」


「でも“障害者”ってわけじゃ無さそうだ」


教室に近付くとどんどんはっきりしてくる声。


『養護学校』 『障害者』


一体どんな話をしているの?


最初から聞いていた訳じゃないから全然わからない。


何だか教室には入りずらいな。


それに、声を聞いただけで中にいる人が分かってしまった。


女の子は3人、男の子が2人。


男の子はもう一つの理系クラスの人みたい。


問題は女の子だ。



女の子3人の中にいるんだ。


あたしの苦手とする子が。


「えー、でもさ。
もし障害者だったらやっぱり養護学校だよ」






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