音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
星空の下で
理由が分からない。
何回か泣いて、抱き締めてくれる事はあったけど。
さっきのは今までと何か違う……
「理由がなきゃ、抱き締めちゃいけないわけ?」
「当たり前でしょ!」
あたしはいっくんの彼女でも、なんでも無い。
「あたしたち。
“幼なじみ”…… でしょ?」
「……… “違う”って、俺が否定したら」
『幼なじみ』のどこを否定するの?
あたしたちは、ずっと仲の良い『幼なじみ』だったじゃん。
「理由があれば、抱き締めたっていいんだろ?」
「正当な理由なら……」
暗い中でもわかる、いっくんの真っ直ぐなその視線からあたしは反らせない。
「いっくん……」
「……… まお」
――― ジャリッ。
いっくんがあたしに一歩、近付いた。
それに合わせるように。
あたしも一歩、下がった。
――― コトン。
何回か泣いて、抱き締めてくれる事はあったけど。
さっきのは今までと何か違う……
「理由がなきゃ、抱き締めちゃいけないわけ?」
「当たり前でしょ!」
あたしはいっくんの彼女でも、なんでも無い。
「あたしたち。
“幼なじみ”…… でしょ?」
「……… “違う”って、俺が否定したら」
『幼なじみ』のどこを否定するの?
あたしたちは、ずっと仲の良い『幼なじみ』だったじゃん。
「理由があれば、抱き締めたっていいんだろ?」
「正当な理由なら……」
暗い中でもわかる、いっくんの真っ直ぐなその視線からあたしは反らせない。
「いっくん……」
「……… まお」
――― ジャリッ。
いっくんがあたしに一歩、近付いた。
それに合わせるように。
あたしも一歩、下がった。
――― コトン。