音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
学校帰りは一緒に手を繋いで帰って。
たまには、制服デート。


休みの日は二人でちょっと遠くまで出掛けたり。


夜は『おやすみ』って、メールや電話。


テスト前には図書館でテスト勉強。


あっ!!
たまにはお弁当とか作ってピクニックとか楽しそうかも。


いっくんと付き合う事を考えれば考えるほど……
あたしのキモチがグラグラ揺れる。


いっくんの事は。
――― 好き。


でも、その好きには恋愛感情があるのかは分からない。



グッと顔が近付けばドキドキする。
手が軽く触れたって、イヤだとは思わない。


それに、自転車の後ろに乗る事もイヤだとは思わない。


いっくんのベットでお昼寝だって出来ちゃう。


でも、それって。
あたしといっくんの関係が。


――― 幼なじみ。


これがあったからあたしがこんなにも心を許せているんじゃない?






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